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異分野からの声に学ぶ

ホームページのイントロエッセイとプロフィルを更新しました。読んで下さい。 さて、8月5日(土)のABCで、予定していたテーマ「日本最古のオノマトペを探して」に入る前に、その日発売された『動物たちは何をしゃべっているのか?』という本を紹介しました。紹介と言っても、まだ書店に並ぶ前に、運良くその本の出版元関係に勤めている森山くんに手に入れてもらってきたので、なかにどんなことが書かれているのか、深いとこ […]

<日本最古のオノマトペを探して>

<日本最古のオノマトペを探して>などと看板を掲げましたが、オノマトペは、擬音語、擬声語、擬態語を指す、ギリシャ語起源の西洋語です。 ギリシァ語でonoは「名」「名前」を意味し、pe はpoiesis の変化形で「作る」を意味します。 ボクは、無文字文化とオノマトペは深いつながりがある、というより、無文字文化はオノマトペに支えられている、と考えてきました。最近この分野の研究が言語 […]

<草>仮名は声の形の<見立て>である

7月21日(金)のABCはzoomのみです。 前回お配りしたまま、読むことが出来ませんでした『八雁』2023年7月号に載せたボクの原稿、このエッセイは、通しタイトルはプルーストをもじって《「失われた時」を見出すとき》として、各回の原稿のタイトルは付けていないのですが、もし付けるとしたら、 <草>について、と言ったところでしょうか。<草>という素晴らしい言葉を書道界の人たちに独り占めさせておくのはも […]

<草>の働き

2023年7月8日のABCは、 <草>の働き というテーマです。  これまで、<無文字文化>、 <見立て>、<三体>そして<二軸楕円形>と、一般の歴史では使われない概念を導入して、主として日本の美と知の歴史を見直そうとしてきました。こういう概念を取り入れることによって、「日本」を「世界」の広がりのなかで観る視点も見つけられるのではないか、という予感もありました。(そしていままでのところ、なかなかう […]

〈文字文化〉時代を支えた〈二軸〉

今回のタイトルは、 〈文字文化〉時代を支えた〈二軸〉 です。 日本列島における美と知の活動だけでなく、思想(思惟)活動/行為そのものが、〈二軸楕円形〉であること、その起源が〈無文字文化〉と〈文字文化〉であり、こんにちの〈文字文化〉の時代にあって、〈無文字文化〉が大きな働きをして、現代の〈文字文化〉を生かしていること、そしてこの二軸がそれぞれのジャンルで独自の表出形態を採って来た(文学美術工芸芸能に […]

宗達の『伊勢物語』

 日本の美と知の歴史の流れを観察していると、その思惟構造が「二軸(中心二つ)」である(二軸だから、おのずからその形は楕円形に収まる)ことが見えて来る、そのひとつの大きな結実が—別の言いかたをすれば、二軸による動きに基づく思考の現れかたのうねりから生まれてきたのが—「伊勢物語型」と「源氏物語型」ではないか、そんなことを考え巡らしてきました。そうして、『伊勢物語』と『源氏物語』の文体の特徴を、原文を拾 […]

「伊勢物語」型と「源氏物語」型

五月二十日のABCは、めったに使うことのない波止場会館の大会議室2です。 (予約に遅れをとりました。卯年生れですからしょうがないですかねぇ) いつもの4Bの奥です。お間違えのないように。 さて、テーマの方は、 《「伊勢物語」型と「源氏物語」型》 としておきます。 前回、光琳の「燕子花屏風」を眺めながら、光琳は「伊勢物語」派だという推理をしました。 光琳の制作姿勢は、「伊勢物語」の文体と親戚だという […]

「燕子花屏風」の遠近(おちこち)

4月15日から恒例の光琳作「燕子花図屏風」が根津美術館で展示されています。 今回は、この機会に、この屏風を眺める愉しさを繙いてみたいと思います。 名付けて「燕子花屏風の遠近(おちこち)」。    

「写生」をめぐって

2023年3月11日(土)のABCは、 「写生」という言葉を巡って考えてみたいと思います。 「写生」という語を現代では「スケッチ」の訳語ぐらいに受け止めているのがフツーでしょう。 新潮社『世界美術辞典』もそんな解説をしています。 これは、明治以降、ヨーロッパの芸術思想を学んで行こうとする結果、定着した観念・定義です。 そして、その言葉は、美術の領域だけではなく、文学(正岡子規)でも、さらに文章教育 […]