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「ABC」の部屋

森脇孝介くんからの手紙 2

広島の森脇孝介くんから、こんな手紙をもらいました。〈無文字文化〉論、〈他動詞文化=ヨーロッパ〉と〈自動詞文化=日本・東アジア〉の問題を考える上で、とてもいい材料になりそうです。(木下長宏) 2019.11.10 森脇孝介 ABCでの先生のお話で「創世記」と日本古代神話の特徴の違いに触れ、主語と目的語を持つ構成の文を作る他動詞を使った思考法が普遍性へとつながっていくのではないか、文化の型として他動詞 […]

《AKI INOMATA: Significant Otherness 生きものと私が出会うとき》と出会う

遠藤知恵子 十和田市現代美術館は、展示室の中以外のさまざまなところ−−建物の中を移動するときに通る階段や壁や天井や、外の芝生の上など-−に作品が配置されている。来場者に見つけてもらうため、園内のあちこちにキャラクターを潜ませたテーマパークのように、作品は、館内に何気なく設置してある。作品とそうでないものの境目はそんなに厳密ではない。訪れた人はインスタレーションの置かれた空間に入り込んだり、踏み台で […]

池内晶子さんの2017年12月ギャラリー21作品について

大和由佳 赤い糸だけでできた作品は、大きく分けて宙に浮いて見える上の層と床に広がる下の層からできています。はじめ、その全体像は大きく回転する星雲を思わせるのですが、部屋の壁の数カ所につながれた糸の張り詰め方は、その総量がどれほどのものかを伝え、いくつもの糸の結び目もまた、それをおこなったひとの指の繊細な動きを想起させるので、膨らみそうになった自分のイメージは等身大に引き戻されていきます。赤という身 […]

宇治郷毅氏による「木下長宏」紹介

旧友宇治郷毅さんが、「同志社大学校友会神奈川支部」のweblog に「木下長宏」を紹介する長文のエッセイを寄稿してくれました。エッセイというより論文に近い力の入った文章で、こんなふうに書いてもらうと面映ゆく恥ずかしいのですが、ボク自身忘れていたことも拾い上げてもらっており、ABC のみなさんにも「木下」を知っていただく良い資料になると思い。宇治郷氏の許可をもらって、この一万字を超える「木下長宏」論 […]

坂本恭子さんから、年末の池内晶子さんの展覧会に対する文章をもらったので掲載します。

昨年末のgallery21yo-jの池内晶子さんの新作展、私も行ってまいりました。数年前に池内さんを知ってから、すっかりファンになって作品を追いかけてきましたが、今回は、戸惑いにちかい不思議な感覚に捕らわれました。あの場で見たもの、考えたことは、どれだけ反芻しても整理しきれないのですが、「2018年年頭のご挨拶」への返信にかえて、感想を送らせていただきます。  池内さんの今回の作品の前に立ったとき […]

近代の"あわい"─木下長宏の思想が寄り添う芸術達─

椋本 輔(情報学研究者・木下ゼミ卒業生)  私塾「土曜の午後のABC」や大学、著作といった場を通して、木下長宏が向き合い論じて来た、芸術・芸術家達。その対象の幅広さは、権威の言葉や概念に基づく分類に縛られた=安住した見方からは、雑多な「詰め合わせ」のように映るかも知れない。  木下は『美を生きるための26章─芸術思想史の試み─』のA~Zまでのセレクションに代表されるように、「〈美〉や〈芸術〉にかか […]

森脇孝介くんからの手紙

広島から、ABCにやって来る森脇孝介くんから、こんな手紙をもらいました。皆さんにも読んでもらいたいと、ご本人の了解を得て、ここに掲載します(木下長宏)