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土曜の午後のABC 過去動画【限定公開】

過去に行われた「土曜の午後のABC」の動画は限定公開にしております。参加者がもういちど復習をしたいときのために用意したものなので、パスワードが必要です。パスワードは以前にお知らせしていますがお忘れの場合、木下までお尋ね下さい。 「土曜の午後のABC 過去動画」ページへ

蕪村の方へ

(一) 『自画像の思想史』を書き終ってから気になっていたことですが、あそこで定義した〈自己×他者〉意識の〈古代型〉の規定はやはり多分に西洋のギリシャを典型基準とする「古代」観に引き摺られている。「東洋(中韓日)」の底に流れる〈古代〉は、もっと異った様相を用意していたのではないか、という問題でした。  もう一つ、〈古代型〉以前の〈古代〉、つまり「原始」のありかたも、もっと考えを詰めていかなければいけ […]

《喩》としての括弧 補遺 

(  )というのは記号です。 この記号を、宮澤賢治はどのようにして<喩>としてみごとに活かしているかを、勉強してきたのですが、この記号は、その他のピリオド、コンマ、ダッシュ、セミコロン、コロンなどと同じように、やはり、西欧から近代の日本へ移入されたものです。 西洋にあっても、これは言うまでもなく、<文字文化>が作り出したものです。文字表現の豊かさを求めて行くなかから考え出された記号であることは言う […]

<土曜の午後のABC> 2020年1月17日「ゴッホの死を巡って」

斎藤茂吉はゴッホの死の34年後、オーヴェルを訪問し、旧ラヴー亭の女将さんからゴッホの死の状況を聞き、それを記録に遺した。 ゴッホの死後書かれた記録の中で、茂吉の記録はかなり早い時点の記録にもかかわらず、誰もこれを採り上げようとしない。ゴッホの死をめぐるさまざまな証言をあつめながら、ゴッホの死について考えてみる。

<土曜の午後のABC>2020年2月28日「ゴッホの絵画—その系譜—モティーフ、絵画思想、彼の求めたもの」

木下長宏が主宰する私塾。今回は「ヴァン・ゴッホの絵画ーその系譜」と題して、「一本の道の彼方」「種蒔く人」から《一本の草の芽の研究》「糸杉」を経て「麦の穂」「麦畑」へ。 <炎の人>のような先入見を捨てて彼の<絵>を観よう。作品タイトルにゴッホ自身がつけたも

混沌(Chaos)を生きた芸術家ミケランジェロ

ミケランジェロ・ブオナローティ(Michelangelo Buonarroti、1475〜1564)は、五つの意味で「混沌(Chaos)」を生きた芸術家でした。一つは、彼の置かれた時代。二つ目は、その芸術表現の目的、三つ目は、彼が表現(芸術表現)のために用いた素材、四つ目が、その方法。五つ目は彼が目指した芸術作品のありかた。そうしたChaosと立ち向かった彼の生きかたから、現代のわれわれは、なにを […]

一つのミケランジェロ論(未定稿)

第1章 芸術の無力さに打ちのめされた男 当時のフィレンツェ、ローマは、とにかく大転変の時代でした。敵王の軍隊が攻め込んだりすると、臆病風を吹かしていちもくさんフィレンツェから逃げ出すミケランジェロですが、すぐに戻ってきます。最初の逃亡は19歳のとき、フランス王シャルル8世がフィレンツェへ入城してきたというのでヴェネツィアからボローニァへと逃げます。54歳のときには、フィレンツェの政変に捲き込まれヴ […]