「⽼⼦」再⼊⾨

2021年4 ⽉10 ⽇の<⼟曜の午後のABC>は、

「⽼⼦」再⼊⾨

と名付けましょうか。またまた『⽼⼦』に戻ります。

「⼊⾨」というのは、ボクを含めてみんなで⼊⾨し直すという意味を含んでいます。

「⽼⼦」は、──もっともこの場合「⽼荘」思想はと⾔うべきで、2000年にわたって「⽼⼦」と「荘⼦」はいっしょくたにされ、読まれて来ましたから。──その「⽼荘」思想が、中国⼤陸の知識⼈、とくに詩⼈画家たちといって芸術家たちのインスピレーションの源として愛読されてきました。⽇本にあっても、とりわけ江⼾時代の⽂⼈、絵師たちにとって、単に詩的霊感(インスピレーション)というより、その⽣きかた、現代⾵に⾔えば「芸術家倫理」の指南書だったのです。

「⽼⼦」などというと遠い中国の昔の書物のように受け取られがちですが(確かに古い!)、その昔むかしに書かれた書物が、現代へ深いメッセージを届けていることは、これまでの勉強で納得してきました。

内容(テクスト)⾃体がそうなのだし、『⽼⼦』という書物が辿って来た運命(れきし)もまた、極めて<現代>なのです。

内容を読み込むのに、ABC では四年くらい費やしました。まだ⼗分納得の⾏く理解には届いていないようで、もういちどあらためて『⽼⼦』を読み直す旅に出かけたいと思います。