<岡倉覚三「泰東巧藝史」について>(岡倉天心研究会)

2月18日(日) 横浜技能文化会館4F、岡倉天心研究会主催の集まりで、<岡倉覚三「泰東巧藝史」について>というタイトルのもと話をいたします。

岡倉には「日本美術史」が全集(平凡社)に収録されていますが、これは20代に美術学校で行った講義ノートを書き起したもので、それから25年岡倉は美術史について常に考え勉強し思索を深めて来ました。『東洋の理想』もその過渡期の一篇で、それから七年、岡倉はさらにボストンを拠点に勉強しました。「泰東巧藝史」は亡くなる三年前に東大で講義したもので、彼の「日本美術史」構想の終着点を示唆するものです。残念ながら決定的な全貌を語る資料原稿がなく膨大なメモばかりを遺して、それをどう読み解くか、僕自身途方に暮れるほどでした。しかし、そうばかりも言っておられない。すこし切羽つまった気持でこの課題に取り組むことにしました。

ABCでは、いま岡倉を取り上げる流れになっていないので、岡倉天心研究会からお誘いがあったのをありがたく受け止めて、ABC番外編の心掛けで取り組みたいと思っております。会費はABCより少し多い目ですが、番外編と受け止めていただいてぜひ横浜技能文化会館4Fへ足をお運びください。