岡倉覚三「日本美術史」を読む 第一回 2008.6.6,14
はじめに 6月から15回にわたって岡倉覚三「日本美術史」講義の現代語訳(未定稿)を作っていこうというわけですが、この講義は明治23、24、25年の三年にわたって(一年単位で)「美学及美術史」という科目名の下に行われたものです。現在のところ岡倉自身の自筆ノートやメモは全く遺っていない。以下に整理しましたように、学生たちの筆記録がいくつか伝わっているだけです。「日本美術史」というタイトルも、岡倉自身は […]
はじめに 6月から15回にわたって岡倉覚三「日本美術史」講義の現代語訳(未定稿)を作っていこうというわけですが、この講義は明治23、24、25年の三年にわたって(一年単位で)「美学及美術史」という科目名の下に行われたものです。現在のところ岡倉自身の自筆ノートやメモは全く遺っていない。以下に整理しましたように、学生たちの筆記録がいくつか伝わっているだけです。「日本美術史」というタイトルも、岡倉自身は […]
前回は、ヨーロッパ絵画の「異時同図法」を眺めましたが、「異時同図法」を《一枚の画面の中に登場する人物が二度三度描かれ、その人物の行動の時間の経過(物語)が描かれていること》と定義すると、聖エカテリーニ礼拝堂やパナギア・アシヌウ聖堂、ジョットーのスクロヴェーニ礼拝堂に描かれている一連の「ラザロの復活」の絵は、厳密な意味で「異時同図法」を完成させているとはいえない、むしろ、それは、ジョットーの後の世代 […]
今回と次回のテーマはレジュメにありますように、「異時同図法」をめぐってです。これは、別の言いかたをすると、人類は「時間」「時」をどのように描いたかということを考えてみよう、ということです。 「異時同図法」という用語は、いつころからかよく調べてはいないんですが、日本美術史の世界で使われだした用語です。ボクが手元に持っているのは、ちょっと古い1980年代の辞書なんですが、ヨーロッパの辞書にもこの用語は […]
≪第一部≫ 1 シモーヌ・ヴェイユ。人名辞典などを引くと「フランスの女性哲学者」なんて説明がされているはずです。しかし、「女性」はともかく、彼女が「哲学者」と呼ばれるような仕事を遺したことが判るのは、彼女が亡くなってから1947年に最初の遺著(『重力と恩寵』)が出版されて以降のことです。最初に刊行された『重力と恩寵』は、彼女の晩年のノートで、カトリック教徒としての信条や考えが誌されています。シモー […]