⾃宅流刑通信(0)

⽼⼦ 第⼀章

道(タオ)というべきは つねの道(タオ)にあらず

道可道⾮常道

名となづけるべきは つねの名にあらず

名可名⾮常名

無は天地の始まりを名付け

無名天地之始

有は万物の⺟なるを名付く

有名萬物之⺟

ゆえにつねに無は以(も)ってその妙を観ぜんとし

故常無欲以觀其妙

つねに有(ゆう)は以ってその皦(きょう)を観ぜんとす

常有欲以觀其皦

この両者同じ出でにして

此兩者同出⽽

名を異にし同じきなり これ⽞(げん)という

異名同謂之⽞

⽞のまた⽞は 衆妙(しゅうみょう)の⾨

⽞之⼜⽞衆妙之⾨

「萬」= 万

「妙」= 優れている。美しい。深い。幽(かす)か。…(内⾯の真を⽰唆)

「皦」=王弼本は「徼[邪霊を払って求める神霊を迎える。境]」としているが、本稿では⾺王堆帛書甲本の「皦[⽟⽯、⽉光のような⽩さ、明るさ]」を採った。
異本では「噭[叫ぶ、泣く、⼝]が使われているものもある。
「徼噭皦」いずれも同⾳。外⾯の真を⽰唆する語だ。

「⽞」=くろ。あかぐろ。深い⾊。静か。深く隠れたもの。道(タオ)の究極